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Q&A(児童精神科)

保護者向けQ&A(児童精神科)

発達障害(全般)

Q. 発達障害は親の育て方が原因ですか?

A. 発達障害は育て方が原因ではありません。

発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)は、生まれつきの脳機能の特性が関係していると考えられています。保護者の接し方や愛情不足によって発達障害になることはありません。一方で、子どもの特性に合わせた関わり方を学ぶことで、生活しやすくなったり、困りごとが減ったりすることがあります。ペアレントトレーニングなどの支援もその一つです。

 

Q. 療育は早い方が良いですか?

A. はい。発達で気になる点がある場合には、早めの相談や療育が勧められています。

乳幼児期は言葉やコミュニケーション、運動などの力が大きく発達する時期です。療育の目的は「発達障害を治すこと」ではなく、その子に合った方法で成長を支え、自信や成功体験を積み重ねることです。また、保護者にとっても、お子さんの特性や関わり方を理解する機会になります。診断が確定していなくても利用できる支援もありますので、気になることがあれば早めにご相談ください。

 

Q. 発達の遅れは様子見で良いですか?

A. 気になることがあれば、一度相談していただくことをおすすめします。

相談したからといって、すぐに診断がつくわけではありません。発達には個人差があり、経過を見ていくこともあります。しかし、早めに相談することで、

  • 発達の状況を確認できる
  • 必要な支援を検討できる
  • 保護者の不安を整理できる

といったメリットがあります。「様子を見ていてよいのか迷う」という段階でも、お気軽にご相談ください。

 

発達障害(ADHD)

Q. ADHDってどんな症状ですか?

A. ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性を特徴とする発達障害のひとつです。

例えば、

  • 忘れ物が多い
  • 話を聞いていないようにみえる
  • 集中が続かない
  • じっと座っているのが苦手
  • 順番を待つのが苦手
  • 思ったことをすぐに口にしてしまう

などの特徴がみられます。症状の現れ方には個人差があり、すべての特徴が当てはまるわけではありません。

 

Q. ADHDは何歳から診断できますか?

A. ADHDの特徴は幼児期からみられることがあります。

ご家庭や園、学校など複数の場面での様子を確認し、発達の経過や生活への影響を総合的に評価します。未就学児や小学生で診断されることもありますが、大人になって初めて診断される方もいます。

 

Q. ADHDは遺伝しますか?

A. ADHDには遺伝的な要因が関与していると考えられています。

ご家族にADHDの特徴を持つ方がいることも少なくありません。ただし、遺伝だけで決まるものではなく、本人の特性や周囲の環境など、さまざまな要因が関係していると考えられています。

 

Q. 落ち着きがないのはADHDですか?

A. 落ち着きがないからといって、必ずしもADHDとは限りません。

子どもは発達の過程で活発に動くことが自然です。

ADHDかどうかを考える際には、

  • 年齢相応かどうか
  • 学校や園で困りごとがあるか
  • 学習や対人関係に影響しているか

などを総合的に評価します。

 

Q. ADHDの薬を飲むと性格は変わりますか?

A. ADHDの薬は性格を変えるためのお薬ではありません。

集中しやすくなったり、衝動的な行動を抑えやすくなったりすることで、学校生活や日常生活で本来の力を発揮しやすくなることが期待されます。薬を始めるかどうかは、お子さんやご家族と相談しながら決めていきます。

 

Q. ADHDの薬は一生、飲み続けるのですか

A. 必ずしも一生飲み続けるわけではありません。

ADHDの治療では、お薬だけでなく、お子さんの特性を理解し、生活しやすい環境を整えることも大切です。当院では、心理スタッフによるソーシャルスキルトレーニング(SST)や保護者への助言・支援を行いながら、必要に応じてお薬による治療を行っています。成長とともに症状が落ち着いたり、ご本人なりの対処方法が身についたりすることで、お薬を減量・中止できる方もいます。お薬が必要かどうかは定期的に見直しながら、お子さん一人ひとりに合った方法を一緒に考えていきます。

 

発達障害(ASD)

Q. ASDってどんな特徴がありますか

A. ASD(自閉スペクトラム症)は、人とのかかわり方やコミュニケーション、興味や行動のパターンに特徴がみられる発達特性です。

例えば、

  • 相手の気持ちを読み取ることが苦手
  • 暗黙のルールを理解しにくい
  • 予定変更が苦手
  • 特定のものに強い興味を持つ
  • 感覚の過敏さや鈍さがある

などの特徴がみられることがあります。一方で、興味のある分野への高い集中力や優れた記憶力などが強みとなることもあります。症状の現れ方には大きな個人差があります。

 

Q. 自閉症スペクトラム症は何歳頃にわかりますか?

A. 早い場合は1〜3歳頃から特徴がみられることがあります。

例えば、

  • 呼んでも振り向かない
  • 指差しが少ない
  • ごっこ遊びが少ない

などをきっかけに気づかれることがあります。

一方で、言葉の発達に大きな遅れがなく、幼稚園・保育園や学校での集団生活が始まってから初めて困りごとが目立つこともあります。高校生や大人になってから診断される方も少なくありません。

 

Q. 目が合わないと自閉症ですか?

A. 目が合わないことだけでASDとは判断できません。

人見知りや性格、緊張などによって目を合わせにくいこともあります。

診断は、

  • コミュニケーションの特徴
  • 対人関係の様子
  • 興味や行動の特徴
  • これまでの発達経過

などを総合的に評価して行います。

 

Q. 言葉が遅いと自閉症ですか?

A. 言葉の遅れだけではASDとは判断できません。

言葉の発達には個人差があります。また、

  • 聴力の問題
  • 知的発達の遅れ
  • 発達性言語症
  • 環境要因

などが関係していることもあります。

言葉だけでなく、コミュニケーションや遊び方、対人関係なども含めて総合的に評価します。

 

Q. ASDは治りますか?

A. ASD(自閉スペクトラム症)は病気ではなく、生まれつきの発達特性であるため、「治る・治らない」という考え方はあまり適切ではありません。

ASDの特性は成長とともになくなるものではありませんが、周囲の理解や適切な支援、環境調整によって、困りごとが少なくなり、自分らしく生活できるようになることが期待できます。また、発達とともにコミュニケーションスキルや対人関係の力が伸びたり、自分に合った対処法を身につけたりすることで、以前より生活しやすくなることも少なくありません。

当院では、必要に応じて心理スタッフによるソーシャルスキルトレーニング(SST)集団療育などを行い、お子さん一人ひとりの特性に合わせたサポートを行っています。

 

発達障害(心理検査)

Q. 心理検査は何歳から受けられますか?

A. 検査によって対象年齢は異なります。当院ではWISC-Ⅴ、WAIS-Ⅳ、STRAW-R検査に対応しています。WISCは5歳~16歳11カ月、WAISは16歳以上、STRAWは小学校1年生~高校生が対象です。心理検査の内容は年齢や目的に合わせて選択します。

 

Q. WISC-Vとは何ですか?

A. 学齢期のお子さまの認知特性を調べる心理検査です。得意な力や苦手な力を把握し、学校や家庭での困りごとの背景の理解や支援に役立てます。

 

Q. 発達検査とは何ですか?

A. 認知面や言語面、注意力、記憶力、社会性などの特徴を客観的に把握するための検査です。お子さんの得意なことや苦手なことを理解し、家庭や学校での支援につなげることを目的としています。

 

Q. 心理検査で診断できますか?

A. 診断の参考とさせていただくことはありますが、検査の結果のみで診断をすることはできません。心理師による検査以外に、ご家庭や学校での様子や生活歴なども含めて、医師が診察で総合的に判断します。

 

Q. IQは変わりますか?

A. IQは生涯を通じて全く変わらないものではありません。

発達や学習経験、検査当日の体調や集中力などの影響を受けることがあります。また、発達検査によってお子さんの得意なことや苦手なことを理解し、それに応じた支援や環境調整を行うことで、本来の力を発揮しやすくなることが期待できます。

 

Q. 結果はいつわかりますか?

A. 医療機関によって異なりますが、当院では検査を実施した1か月後以降に医師よりフィードバックを行っています。

 

Q. 合理的配慮とは何ですか?

A. 合理的配慮とは、障害や発達特性があり、日常生活や学習において困りごとがある方が生活や学習を行いやすくするために、支援や環境調整を求められるものです。当院でも相談可能です。

 

Q. 検査を受けるメリットは何ですか?

A. 本人や周囲が、得意なことや苦手なことを知ることができます。また、困りごとの背景を理解することで、具体的な支援方法を考えやすくなります。

 

Q. STRAW-Rとは何ですか?

A. 読み書きの流暢性(速さ)と正確性を客観的に測り、学年平均と比べてどの部分がどの程度困難かを知ることができる検査です。検査の結果により、学校等でどのように配慮してもらえると良いかを検討することができます。

 

Q. 学校へ結果を伝えるべきですか?

A. 必ず伝えなければいけないということはありませんが、学校と共有することで適切な理解や支援、配慮につながるメリットもあります。たとえば、座席の配置や課題の提示方法、テスト時の配慮などにつながることがあります。

 

Q. WISC-Ⅴ検査だけを受けることはできますか?

A. はい。当院では、診断や継続通院を前提とせず、WISC-Ⅴ検査のみを受けていただくことも可能です。検査の流れや費用については、こちらをご覧ください。

なお、お住まいの地域によっては、児童家庭支援センターや教育相談機関などで発達検査を受けられる場合もあります。ご希望の方は、お住まいの自治体にもご確認ください。

 

ゲーム・スマホに対して

Q. 何時間からゲーム依存ですか?

A. ゲーム依存は、ゲームをする時間だけでは判断できません。

ゲーム依存(ゲーム障害)は、ゲームの時間が長いことそのものではなく、ゲームを優先するあまり、学校生活や家庭生活、睡眠、人間関係などに支障が出ているかどうかが重要です。例えば、

  • ゲームをやめる約束が守れない
  • 夜遅くまでゲームをして睡眠不足になる
  •  学校を休みがちになる
  • 家族とのトラブルが増える
  • ゲーム以外の活動に興味を示さなくなる

といった様子がみられる場合には注意が必要です。お子さん自身やご家族だけで対応が難しい場合には、一度ご相談ください。

 

Q. スマホは取り上げてもよいですか?

A. スマホの使い方に問題がある場合でも、いきなり取り上げることが必ずしも良い方法とは限りません。

急な制限によって親子関係が悪化したり、お子さんが強い反発を示したりすることがあります。また、ご本人自身がスマホやゲームへの依存傾向に気づいていない場合も少なくありません。まずは、お子さんがスマホを使う背景や困りごとを理解しながら、利用時間やルールについて一緒に考えていくことが大切です。ご家庭だけで対応が難しい場合には、専門家へ相談しながら段階的に対応していくことも一つの方法です。

 

Q. ゲーム障害とはなんですか?

A. ゲーム障害とは、ゲームをやめたいと思ってもやめられず、日常生活に支障が出ている状態のことです。世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-11)では、

  • ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない
  • 学校や仕事、友人との付き合いよりもゲームを優先してしまう
  • 問題が起きていてもゲームを続けてしまう
  • 家庭生活や学校生活などに大きな支障が出ている

といった状態が続く場合に、ゲーム障害と診断されることがあります。単にゲームをする時間が長いだけでは、ゲーム障害とは言えません。

 

Q. 発達障害と関係はありますか?

A. ADHDやASDなどの発達特性があるお子さんでは、ネットやゲームへの依存傾向がみられやすいことが知られています。

例えば、

  • ADHDでは衝動性や我慢の難しさ
  • ASDでは興味の偏りや強いこだわり

などが影響することがあります。また、不登校や学校でのストレス、人間関係の悩みなどが背景にある場合もあります。ただし、発達障害があるからといって必ずゲーム依存になるわけではありません。お子さん一人ひとりの特性や環境によって状況は異なります。

 

Q. 夜中までゲームをしています。大丈夫ですか?

A. 一時的なものであれば大きな問題にならないこともありますが、睡眠不足は、集中力の低下やイライラ、学習面や体調面の不調につながることがあります。生活リズムを整えることは大切ですが、声かけやルール作りだけでは改善が難しい場合も少なくありません。

当院では、心理師とともに生活環境やゲームとの付き合い方を見直すサポートを行っています。また、睡眠リズムの乱れが強い場合には、お薬による治療を検討することもあります。

 

Q. 家族に対して暴言や暴力があります。どうしたらよいですか?

A. 家庭内での暴言や暴力は、ご家族だけで抱え込まずに早めに相談することが大切です。

暴言や暴力の背景には、

  • 強いストレス
  • 発達特性による困りごと
  • 不安や抑うつ
  • 学校生活や友人関係の悩み

などが関係していることがあります。ご家族が安全に過ごせるよう対応を考えることも大切ですし、ご本人が抱えている困りごとや背景に目を向けて支援することも重要です。

当院では、ご本人だけでなく、ご家族への助言や支援も行っています。

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